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モーターデイズ休刊について

カテゴリ:クルマ関連ニュース , / 2019年10月01日

 
 

モーターデイズ休刊について
2019年9月 (株)デイズ代表取締役会長 水野誠志朗

「モーターデイズ」というクルマのwebマガジンをもう20余年やってきました。しかしこの2019年9月をもって正式に休刊することになりました。1997年、私が(株)デイズという会社を立ち上げて、「名古屋でwebを使った自動車メディアを作るぞー」という勢いで始めたものです。新車試乗は、私の場合、紙媒体の仕事でそれ以前からしていましたが、「モーターデイズ」ではとにかくすべてのニューモデルに乗って、ユーザー目線での、できるだけ正直な記事を書こうと思い、始めたメディアです。

同時に「モーターデイズ」は、地方に居ても、webコンテンツが何らかのお金を稼げる手段にならないか、という実験でした。それまで関わってきた雑誌など紙の媒体は、購読料と広告料で成り立っていました。同様のことがwebで、しかもメディア制作の集中する東京ではなく名古屋発できないものかと考えたわけですが、当時の収益方法は広告主を捜してバナーを貼ることくらいしかありませんでした。それからいろいろなマネタイズ方法が出てきましたが、それらにうまく乗ることができず、結局「モーターデイズ」は赤字のままで20余年を過ごしてしまいました。

創刊当時はweb上に試乗記などほとんどなく、作るのであれば良質なコンテンツを、と心がけてきました。しかしそれによって採算がとれるようにはなりませんでした。web上のクルマテキストコンテンツがそれ単体でマネタイズに成功して成り立っているケースはほとんどないと思われます。当時からあったメディアでは、確か99年創刊の「オートアスキー」が「レスポンス」となり、それなりに単体で成立しているくらいでしょうか。多くのwebメディアがなくなり、あるいは売られていきました。そうなることなく変わらず続けてきた「モーターデイズ」は、(株)デイズという会社のアイデンティティを示す看板的な役割と、クルマという工業製品の記録を残すという意味で、それなりに意義があったと思っています。

今webでクルマの情報を検索してみると(そういえば創刊当時は検索エンジンもなく、「インターネットクルマサイトガイド」なんて本を出したほど、見てもらうのは大変でした)、ライトなまとめ系のサイトが人気を集めるようで、読むのにそれなりの知識や時間が必要なサイトでは、絶対的なアクセスを稼ぐのは難しそうです。世の中のクルマへの関心もどんどん落ちており、いわゆるクルマ好きを対象に書いていては、なかなかアクセスは集められません。とはいえ、今の「モーターデイズ」のフォームを崩すのも、なかなか難しいものがあります。そういうことで、今のパターンで書き続けてもこれ以上の展開はなさそうにも思えます。その意味では一旦休止するのも一つの方法と判断しました。

モーターの時代がやってくるという意味も込めて名付けた「モーターデイズ」でしたが、20余年もの時間がたっても、いまだモーター全盛の時代は訪れていません。初代プリウスは創刊のころに登場したクルマですが、今でも実用面ではトヨタのハイブリッドシステムを超えるものはないと言えるような状態です。EVもPHVもインフラ整備を含め、まだまだこれから、という状態でしょう。20年前に夢見た世界が実現するのはだいぶん先のようです。

夢見たといえば、ITSに関しても同様に感じています。特集雑誌「インテリジェントカー」(宝島社)を作ったのは2003年。今からもう15年以上前のことです。当時、通信型ナビやレーダークルーズコントロールなど夢のような仕組みが登場してきていて、いよいよ「クルマがロボットになる」時代がやってくる、と高揚したものです。これらの装備も最近になって、やっと実用的になりつつあります。設定速度の制限が外れたレーダークルーズコントロールは、ここにきてやっと交通の流れに乗れるようになりましたし、スマホの出現によってですが、やっと通信型ナビも当たり前になってきています。ほんとうに「やっと」という感が強くあります。今、世の話題は自動運転一色といってもいいほどですが、これが10年、20年で実用になるとは私には思えません。今の自動車に置き換わるのはたぶんムリだと思っています(予測が外れることを望みますが)。理由は色々ありますが、ここに至って当分の間「クルマはロボットにならない」と思えてしまうのが残念至極です。

そういえば、2000年ごろ、ミニバンにサブバッテリーを載せてパソコンなどを車載し、室内にテーブルを置くなどして、移動事務所としても使える「モバイルステップワゴン」というクルマを売り出したりもしました。当時は液晶モニターなどありませんから、巨大なCRTディスプレイを車内で使えるようにする必要があったのです。これなど、最近になってやっとそのコンセプトが評価いただけるようになったものです。そのようにちょっと先の読み方を誤っていたのが「モーターデイズ」だったのかもしれません。

今年3月からは(株)デイズの体制が代わり、事業の見直しがされています。その中で、手間暇かかる割に収益の上がらない「モーターデイズ」は、一旦休刊として見直してみようということになりました。またここ10年以上、私と一緒に原稿を書いてきた丹羽圭くんも(株)デイズを退社することになりました。彼は素晴らしい自動車ライターで、彼なしにはモーターデイズはありませんでした。それも休刊の大きな要因です。

以上、長い間ご愛読いただき、読者の皆様には感謝いたします。コンテンツはしばらくの間これまでどおり公開状態にして、どなたでもアクセス可能な状態を維持しますので、何かにつけ、ご利用いただければと思います(著作権は(株)デイズに帰属しますので、無断転載はご容赦ください)。ありがとうございました。

※ ITS DAYSは今後も随時更新して行きますのでよろしくお願いいたします。
※ 911DAYSは引き続き雑誌、webともに(株)ナインイレブンデイズが運用していきます。