キャラクター&開発コンセプト
内外装デザインを一新。3.5リッター車を新設定
トヨタのFRミドルクラスセダンとして9代続いたマーク「II」が「X(エックス)」になったのが5年前。そのマークXが2009年10月19日にフルモデルチェンジして発売された。
2代目Xの特徴は、一新された内外装デザイン、従来の3リッターV6に代わる3.5リッターV6の新設定など(2.5リッターV6は継続)。シャシーやパッケージングも改良されたが、プラットフォームは基本的にキャリーオーバーとなる。
生産拠点はトヨタ自動車・元町工場(愛知県豊田市)のみで(先代は関東自動車・岩手工場とのブリッジ生産だった)、販売は従来通りトヨペット店。目標台数は5年前の5000台から3000台に縮小されたが、発売後1ヶ月間の初期受注は4倍以上の約1万4000台となっている。
■過去の新車試乗記>トヨタ マークX 300G プレミアム (2004年12月)
価格帯&グレード展開
売れ筋はエコ減税対象車の“リラックスセレクション”
先代のボトムプライスは250万円弱だったが、新型はデフレ時代に合わせて約10万円安い238万円からスタートする。ただし実際の販売主力は、いわゆるエコ減税対象車となる250Gの“リラックスセレクション”(269万円)や“Sパッケージ リラックスセレクション”(299万円)だろう。
【250G】
2.5L V6(203ps、24.8kgm)・10・15モード燃費:12.4~13.0km/l
■“F パッケージ” 238万円
■ベースグレード 267万4250円
■“リラックスセレクション” 269万円 ★今週の試乗車
■“Sパッケージ” 293万7500円
■“Sパッケージ リラックスセレクション” 299万円
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【250G Four】
2.5L V6(203ps、24.8kgm)・10・15モード燃費:11.4km/l
■“F パッケージ” 261万1000円
■ベースグレード 290万5250円
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【350S】
3.5L V6(318ps、38.7kgm)・10・15モード燃費:10.2km/l
■ベースグレード 352万5000円
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【Premium】
3.5L V6(318ps、38.7kgm)・10・15モード燃費:10.2km/l
■ベースグレード 337万円
■“Lパッケージ” 380万円
パッケージング&スタイル
よりスポーティに、より質感を向上。
ボディサイズ(先代比)は先代とほぼ同じ全長4730mm(同)×全幅1795mm(+20)×全高1435mm(同)。全幅と同じく、トレッドも20mm拡大されている。
デザイン的には3連ヘッドライトなどを先代から継承しつつ、初代で気になったボンネットの盛り上がり感(ちょうど歩行者保護が厳しくなり始めた頃だった)がなくなり、さらにAピラー基点を80mm前に出したことで、ぐっとスポーティになった。
またフロントグリルの「X」バッジも、見慣れてきたせいか「バツ」に見えなくなって、堂に入ってきた感じがする。フロントフェンダーに新型クラウン風というか、マツダ・アテンザ風というか「峰」が加わったほか、ボディサイドの表情も豊かになり、品質感は確実に上がった。
先代のテール部分は絞り込んだ形状が個性的でカッコも良かったが、新型ではトランク容量の拡大などの要件を満たすためか、ボリューム感をアップ。それに伴い、リアコンビランプのデザインも今風(あえて○○風とは言わないが)に変更された。マフラーと一体のように見えたリアバンパー(実際にはマフラーとつながっていない)が今回から普通になったのも少々残念。ダミーはイヤという人もいたからか。
手堅い手法で、ユーザー好みの高級感を得る
家電のように少々安っぽいデザインだった先代のインパネはやっぱり不評だったようで、白色LEDを使った大型ルームランプやシフトレバーまわりの透明パネルといった意匠共々、あっさり廃止されてしまった。
変わって新型は一転してオーソドクスな「いかにも高級そうな」デザインを採用。ソフトパッドを多用した黒基調のダッシュボードやドアトリム、ツヤのあるウッド調パネルなど、まことに手堅い手法だが、それゆえすんなりと馴染めてしまう。何となく10年前の「高級車」といった感もないではないが、マークXのターゲットユーザーでこれを不満に思う人は少ないだろう。
「オッ」と思ったのは、ドライバーの方向に傾けられた握りの小さいATシフトレバー。マニュアル車のシフトレバーそっくりの握り心地で、悪くない。木目調パーツやメッキ、ブーツカバーといった周辺パーツの素材感も良い。正直この内装ならクラウンと比べても見劣りしないかも。
室内も若干広くなった
全幅の拡大に伴って、前・後席のショルダー部のドアトリムは25mm外側に出され、また前席も10mmずつ外側へ配置し直されたという(つまり左右席の距離が20mm離れた)。より広々感が増したという意味でも、クラウンに限りなく近づいた。
もちろん、クラウンとの差別化がないはずはない。気になったのはシートの作りで、フカフカした座り心地やホールド性の甘さ、腰のサポート部分のペナペナ感(電動ランバーサポートのせいか)など、率直に言って今ひとつ。表皮によって印象が違ってくる可能性はあるが、少なくともシート骨格はクラウンとは別物では。
リアシートも広々。クラウンに大きく見劣りせず
全高は低いが、2850mmのホイールベースはクラウンと同じなので、後席は十分に広い。先代にあった7段階リクライニング機構も踏襲されている。相変わらず乗り込む時に頭をかがめる必要はあるが、スタイリングを思えばここはやむなしだろう。
なお、エアバッグは、前席のフロントとサイド、運転席ニー、そして前・後席のカーテンシールドで計7個を装備する。
トランク容量は1割アップ
先代では437リッターと少なかったトランク容量は、480リッターに拡大。クラウン(524リッター)には及ばずとも、FRのスポーツセダンとしては十分に広め。先代ではステッカーで指示された通りにしないと入らなかった4個のゴルフバッグが、これで簡単に積めるようになった。また背もたれが6:4分割で倒れ、トランクスルー出来る点は先代同様だ。
また先代が採用していたダブルリンク式のヒンジは廃止され、代わりにアーム式変更された。前者はトランクスペースへの浸食がない点、後者は開口部を広くできる点などがメリットだが、最近は欧州車でも後者が多く、その流れに従った形だ。
床下にはタイヤレンチなどの工具を収めた樹脂ボードがあり、その下にテンパースペアタイヤが収納される。